同じ利益なのに微妙に違う?知っておきたいキャピタルゲインとインカムゲインの違い

投資について勉強していたら、キャピタルゲインとインカムゲインって言葉が出てきたの。難しそうな横文字だし、そこからやる気をなくしちゃって…

投資の用語は聞き慣れないものばかりだからね。でも、2つとも知っておきたい基本の言葉だよ

基本なのか…せっかくだから、教えてもらえると助かるな!
目次
投資の利益は2つに分けられる

キャピタルゲインとインカムゲイン、この言葉は投資の利益を指す言葉なんだ
- キャピタルゲイン
- 価格が変動する商品について、安く購入して高く売った時に得られる利益(値上がり益)のこと。
株や債券、投資信託、不動産、FX、金やプラチナ、原油などの商品で得られます。
確実に得られるわけではありませんが、値動き次第では大きな利益を得ることも可能。
逆に高く購入して安く売った場合は損失となり、それをキャピタルロスと言ったりします。 - インカムゲイン
- 商品を保有しているだけで得られる利益のこと。
基本的に保有期間の長短は関係なく、権利確定日に保有さえしていれば得られる利益です。
株の配当金や株主優待、債券の利息、投資信託の配当金、FXのスワップポイントなどが該当。
貯金の利息もインカムゲインのひとつです。
キャピタルゲインほど高い利益が出ることはありませんが、不確定要素が少ないという面からも最近注目されています。
また、インカムゲインは損失が出るものではないので、インカムロスという言葉はありません。

利益と言っても、その中身によって違いがあるのね

そう。そしてどちらも利益だから課税されるけれど、税制面では微妙な違いがあるんだ
キャピタルゲインとインカムゲインの税金の違い

株や投資信託、FXなど、キャピタルゲインとインカムゲインを得られる投資商品の場合は、それぞれ課税方法も少し違っているよ
主な投資商品ごとの利益と税金
株の場合
売却益(キャピタルゲイン):譲渡所得に分類
配当益(インカムゲイン):配当所得に分類
※配当所得は確定申告で「総合課税」を選べば、配当控除が受けられます。
投資信託の場合
- ① 株式投資信託の場合
- 解約益や売却益、償還益(キャピタルゲイン):譲渡所得に分類
分配金(インカムゲイン):配当所得に分類
※配当所得は確定申告で「総合課税」を選べば、配当控除が受けられます。 - ② 公募公社債投資信託の場合
- 解約益や売却益、償還益(キャピタルゲイン):譲渡所得に分類
分配金(インカムゲイン):利子所得に分類
FXの場合
為替差益(キャピタルゲイン):雑所得に分類
スワップポイント(インカムゲイン):雑所得に分類

利益によってかかる税金も変わる点には注意! 投資と税金についてよく勉強することをオススメするよ
キャピタルゲインとインカムゲインどちらを重視する?

それぞれの特徴や税金面についての違いは分かったけれど、どちらの利益を重視した方がいいとかあるのかしら?

どちらを重視するかは、自分自身の運用方針次第。
商品の選び方も変わってくるからね
キャピタルゲインとインカムゲインは異なる特徴を持つため、どちらを重視するかで商品の選び方が変わります。
- キャピタルゲイン重視の場合:
- 短期投資のデイトレーダーなどが重視する傾向にある。
株価など値上がりが期待できる銘柄を選び、大きな利益が出ることに重点を置く。 - インカムゲイン重視の場合:
- 長期投資向きで、配当や株主優待を重視。株価の値上がりによる利益よりも配当利回りを重視し、長く保有して配当金や優待を受け取ることに重点を置く。

キャピタルゲインを狙った方が利益は大きくなる可能性も高いけれど、ギャンブルのような側面もあるんだ。上手くいけばいいけれど、失敗した時の損失も大きい

私みたいな会社員なら、インカムゲイン狙いの方が安心ってこと?

そうだね。それに、最近はインカムゲイン狙いの方が主流になっているよ
インカムゲインを狙う場合に注意したいポイント

インカムゲイン狙いの投資をするなら、どんな点に注意すればいいのかな?

インカムゲインが得られる商品にもいろいろあるけれど、今回は投資初心者でも始めやすい株に関する注意点をチェックしてみよう。
株の場合、インカムゲインとしては配当金と株主優待の2つが挙げられるよ
配当金を狙う場合のポイント
配当利回りだけに注目しない
配当利回りとは現在の株価に対して配当金がどれだけの割合でもらえるかを示したもので、次の式で算出されます。
配当利回り(%)=1株あたりの配当金額÷1株あたりの購入金額(株価)×100
株価が変わらなければ、配当金が高いほど利回りは大きくなり、安いほど小さくなります。
当然、配当金狙いなら利回りが高い方がいいわけですが、注意点もあります。
それは「配当金額が同じでも株価が高ければ利回りは小さくなり、安ければ大きくなる」点。
株価下落の要因には企業の業績悪化などがありますが、業績が悪化しているのに配当金額はそのまま…なんて企業もあります。
そもそも配当金は、企業が生み出した利益を株主に分配するもの。
業績が悪化して利益が減っているのに配当金額がそのままだと、さらに業績が悪化して最終的に無配になる可能性も。
配当利回りに注目する際は、株価の動向にまで目を通しておくことが重要です。
株主優待を狙う場合のポイント
優待の内容だけに注目しない
株主優待狙いの場合も、配当金狙いの場合と注意点は同じ。
優待の内容だけに注目するのではなく、企業の業績もしっかりチェックしておきましょう。
企業の業績が悪化してしまえば優待がなくなることもあります。
優待狙いで保持していた株も、株価が下落して売れなくなってしまっては元も子もありません。
企業の業績や将来性などにも注目することが重要です。

配当金も株主優待も、言ってみれば『オマケ』みたいなもの。業績のいい企業を選んでいれば株価も上がって売却時にキャピタルゲインも得られるし、配当金や優待も続く。とにかく、選ぶときに気をつけようってこと

株主優待っていいなぁって思っていたけれど、そんなに甘い話ではないってことかぁ…

選ぶポイントが分かれば大きな失敗も減らせる。高配当利回りなど見た目の良さだけじゃなくて、業績など中身までしっかり見ることが大切だよ
キャピタルゲインとインカムゲインのまとめ
- 投資で得られる利益は、キャピタルゲインとインカムゲインの二つに分けられる
- キャピタルゲインは値上がり益のことで、買った額よりも高く売れれば得られる
- 買った額よりも安く売ることで損失が出ることもある(キャピタルロス)
- キャピタルゲインは不確定要素が大きいものの、株価などが値上がりすれば大きな利益を得られる
- インカムゲインは商品を保有していれば得られる
- 利益は大きくないものの、保有している間に損失が出るようなことはない
- キャピタルゲインとインカムゲインでは、税制面でも違いがある
- 配当金や株主優待は魅力的だが、選び方を失敗すると無配になったり優待内容が改悪されることもある