
気付けば私もいつの間にかアラサー…貯金だけはやってきたけど、嫌でも老後のことが頭をよぎるようになっちゃった…

老後がなんとなく不安なのは分かるけど、不安ならしっかり備えることから始めようよ

そうだね…老後に向けた備えといえば、個人型確定拠出年金(以下、iDeCo)だよね。どうやって始めればいいの?

iDeCoって申込み自体は難しくないけれど、少し準備が必要だからね。申込み方法をチェックしておこう
目次
申込む前に確認しておきたいこと

iDeCoは最近、制度が少し変わって加入対象者が拡大したおかげで、ほぼすべての人が加入できるようになった。でも加入できない人もいる。申込む前には、自分が加入できるかどうか確認しておくことをオススメするよ
【申込む前に確認しておくこと】
対象者:企業型確定拠出年金に加入している会社員
確認内容:iDeCoに加入できるかどうかを会社に確認する

会社員の中には『企業型確定拠出年金(企業型DC)』に加入している人もいるけれど、その場合、規則でiDeCoの加入が認められていないことがあるんだ

お得な制度だから出来ることならiDeCoに加入したいけれど、出来ない場合もあるってことね
iDeCo申込みの大まかな流れ
① 金融機関を選ぶ
② 資料請求と必要書類などの準備
③ 書類の提出
④ 国民年金基金連合会による審査
⑤ パスワードの設定や掛金の配分設定
⑥ 完了!
① 金融機関を選ぶ

iDeCoを申込む前に、まずは金融機関を選ぼう。ネット証券でもiDeCoを扱っているのは一部だし、手数料や商品も違うからね

iDeCoにはどんな商品があるの?

元本保証の定期預金から、国内外の株式や債券、不動産投資などいろいろあるよ
【iDeCo申込みの流れ①】
- 申込先の金融機関を決める
- 金融機関によって取り扱う商品は違うので、商品ラインナップを確認する
- 運営管理手数料も金融機関によって異なるので、よくチェックする(SBI証券や楽天証券など、運営管理手数料0円のところもある)
【主なネット証券のiDeCo】
※表はスクロールします→
SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | |
---|---|---|---|
国内株式 | 15本 | 6本 | 6本 |
海外株式 | 14本 | 4本 | 5本 |
国内債券 | 2本 | 2本 | 1本 |
海外債権 | 7本 | 4本 | 3本 |
国内REIT | 3本 | 2本 | 2本 |
海外REIT | 3本 | 1本 | 1本 |
コモディティ | 2本 | 1本 | 1本 |
バランス型 | 17本 | 4本 | 2本 |
ターゲットイヤー型 | × | 3本 | × |
元本確保 | 4本 | 1本 | 1本 |
詳細情報 | SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 |
【マスターのコメント】
iDeCoでは、やはりSBI証券がオススメ。
② 資料請求と必要書類などの準備

証券会社を決めたら、iDeCoの資料を請求しよう。ネット証券ならインターネットで簡単に資料請求できるよ。資料が届くまでの間に、必要な書類などの準備も進めよう

必要な書類や情報にはどんなものがあるの?

基礎年金番号と、本人確認書類が必要になるよ。本人確認書類は口座開設のときと同じだから、説明は省略するね。基礎年金番号は次のような方法で確認できるよ
【基礎年金番号の確認方法】
- 年金手帳や年金定期便を確認する
- 会社員の場合は総務関係部署に聞いても教えてもらえる
- 近くの年金事務所窓口で確認する

あとは事前に掛金額を決めておこう。掛金は最低5,000円から、上限は自営業者や会社員などによってそれぞれ違うよ
【iDeCoの掛金額上限】
- 自営業者(第1号被保険者):月額6万8,000円まで
- 会社員(第2号被保険者):次の3パターンに分かれます
- 企業型年金に加入し、退職金・企業年金ありの場合:月額1万2,000円まで
- 企業年金のみの場合:月額2万円まで
- 企業型年金なしの場合:月額2万3,000円まで
- 公務員(第2号被保険者):月額1万2,000円まで
- 専業主婦(主夫)など(第3号被保険者):月額2万3,000円まで

私の場合は会社員で企業型年金がないから、月に2万3,000円までってことね。この額って1度決めたら変更できないの?

年に1度だけ変更できるよ。掛金が所得控除の対象になってお得なiDeCoだけど、無理のない範囲で掛金額は設定しよう
【iDeCo申込みの流れ②】
- あらかじめ基礎年金番号を確認しておく
- 掛金額の上限を確認し、毎月の掛金額を決めておく(掛金額の変更は1年に1度だけできる)
③ 書類の提出

証券会社から資料が届いたら、中身を確認して提出書類の準備を進めよう
【提出が必要な書類について】
- 加入申出書
- 本人確認書類
- (第2号被保険者のみ)第2号加入者に係る事業主の証明書

会社員など第2号被保険者の場合は、会社に記入してもらう書類もあるんだ

えっ! 会社にお願いしなきゃいけないってこと?

そう。もしかしたら『頼むのは気が引ける…』なんて思う人もいるかもしれないけれど、大事な老後への備えだからね。まずは相談してみるといいよ

個人型ってことだから、てっきり私が何か記入するだけでいいと思っていたら違うのね…

iDeCoは企業年金等に加入しているかどうかで、掛金の上限が変わるでしょう?この辺は企業がそれぞれに決めることだから、きちんと証明してもらう必要があるってことなんだ

なるほどね。もうひとつの加入申出書にはどんなことを記入するの?

基礎年金番号や氏名などのほかに、掛金の納付方法、勤務先情報、企業型確定拠出年金の加入履歴などがあるよ
【掛金の納付方法について】
事業主払込…会社が支払い、掛金分が給与天引きされる。所得控除のための手続きをする必要はなくなるが、会社側が希望に応じてくれない場合もある。
個人払込…個人口座からの引き落とし。年末調整の必要あり。

個人払込の場合は、掛金引落し口座情報を忘れずに記入しておこう。勤務先情報の不明点は、会社に問合せるといいよ

証券口座の開設やNISAの申込みに比べると、iDeCoの申込みは少し難しい感じもするね

会社員だと、自分だけで提出書類を作成できないからね。各証券会社に専用の問合せ先もあるから、不明点はどんどん質問しよう
【iDeCo申込みの流れ③】
- 会社員(第2号被保険者)の場合、会社側に記入してもらう書類がある(依頼先部署が不明な場合、まずは総務関係部署に相談してみるのがオススメ)
- 掛金の納付方法には2通りある(事業主払込は会社側がOKした場合のみ)
- 個人払込の場合は掛金引落し口座情報も記入する
- 加入申出書は複写式になっているので、押印もれなどがないようにする
- 書類の不備や記入ミスがあると手続きに大幅な時間がかかるので、間違えないように注意する(不明点は専用の問合せ先へ問合せる)
④ 国民年金基金連合会による審査

iDeCoを実際に始めるには、まずは国民年金基金連合会で加入資格があるかチェックするんだ。これは証券会社側で行ってくれるから、書類を送ったら連絡を待つだけでOK

加入資格がないとiDeCoも始められないってこと?

そういうこと。会社員の場合は、企業型DCに加入していてiDeCoを認めていない場合を除いて『加入資格がない』ってことはあまりないと思うから、そんなに心配しなくても大丈夫だよ

NISAのときもそうだけど、こうして審査があるってことは手続きに時間がかかるってことだよね?

iDeCoは書類を提出してから口座開設が完了するまで、1〜3ヶ月くらいかかるんだ。早く始めるほどお得な制度だから、早めに申込むようにしよう
【iDeCo申込みの流れ④】
- 国民年金基金連合会での審査がある(証券会社が実施)
- 審査には1〜3ヶ月ほど時間がかかる
⑤ パスワードの設定や掛金の配分設定

申込みが完了すると、パスワードなど必要な情報が郵送される。中をチェックして、早速設定をしよう。掛金の配分設定もこのときに行うよ

配分設定って、金額を指定するの?

金額ではなくて、割合を設定するようになっているんだ。1%単位で設定できて、途中で変更することもできる

配分の設定を忘れたらどうなるの?

設定を忘れてしまったときは、定期預金に100%配分される。定期預金自体は元本保証だけど、iDeCoは証券会社に関係なく必要な手数料があったりするから、その分、元本が減る可能性もある

書類が届いたらすぐに設定するといいってことね
【iDeCo申込みの流れ⑤】
- 申込み完了後、パスワードなど初期設定に必要な情報が郵送される
- 掛金を「どの商品にどれだけの割合で配分するか[/char]は、自分で自由に決められる(後で変更することもできる)
- 配分設定を忘れると定期預金に100%配分される(金利が低く手数料分が引かれるので、元本が減る可能性もある)

ちょっと難しいと感じるのは、書類作成の部分くらいかな?あとは掛金の配分設定に悩みそう…

そこは申込みとはまた別の話になるから、改めて勉強しよう

そうだね。申込みに案外時間がかかることも分かったから、まずは資料請求しようっと!
iDeCo申込み方法のまとめ
- 会社員の場合はiDeCoに加入できるかどうか、会社に確認する
- 金融機関によって扱っている商品や手数料が違うので、自分の希望に合うところを選ぶ
- 資料請求はネットでOK
- 基礎年金番号を確認しておく
- 掛金の上限を確認し、掛金額を決める
- 会社員の場合は加入申出書の他に、事業所による証明も必要(会社に書類を記入してもらう)
- 掛金の納付方法には、事業主払込と個人払込の2種類あり、自分で選べる(ただし、事業主払込は会社がOKしないとできない)
- 申込みから完了までは1〜3ヵ月程度かかる
- すべての手続きが完了すると掛金の配分設定などが行える
- 掛金の配分は1%単位で自由に設定できるが、設定し忘れた場合は定期預金に100%配分される