マスターマスター

投資で損失が出るとガッカリするかもしれないけど、実は節税のチャンスでもあるって知ってた?

あやあや

えっ?投資で出た損失で税金が軽減できるの?

マスターマスター

そう。でも節税するためには、自分で確定申告をしないといけない

あやあや

確定申告…面倒そうな単語が出てきたわ

マスターマスター

面倒だからって何もしないと、ただ損しただけになるよ。コストを減らすのは投資の基本なんだから!

投資と確定申告

マスターマスター

投資で得られた利益に税金がかかることは知っているよね

あやあや

ええ。でも確か、特定口座(源泉徴収あり)にすれば、利益が出ても確定申告不要なのよね

マスターマスター

そう。逆に損失が出てしまった場合は税金もかからないから、確定申告する必要はないって思うかもしれない。でも、確定申告をすれば節税ができたりするんだ

【投資と確定申告の基本】

特定口座(源泉徴収あり)での取引
  • 利益が出た場合:確定申告不要
  • 損失が出た場合:確定申告の必要はないが、すれば節税できる可能性あり(詳細は後で説明)
特定口座(源泉徴収なし)や一般口座での取引
  • 利益が出た場合:確定申告必要
    ただし、会社員で次の2点をともに満たす場合は確定申告不要となります。

    1. 年収が2,000万円以下
    2. 給与所得以外の所得の合計が20万円以下(お給料以外に収入がない人は、投資の利益が20万円以下なら該当)
  • 損失が出た場合:確定申告の必要はないが、すれば節税できる可能性あり(詳細は後ほど記載)
マスターマスター

特定口座(源泉徴収なし)で利益が出たら、基本的には確定申告が必要。でも、やらなくていい場合もあるから覚えておくといいよ

投資全体の損益を相殺できる「損益通算」

マスターマスター

損益通算というのは、1年間の投資で出た損益を相殺して納税額を安くできる制度。複数の証券会社の口座で取引をしている人は、自分でやる必要があるんだ

【損益通算について】

  • 1年間の投資で出た利益と損失を差引し、納税額を減らせる
  • 1つの証券会社だけで取引をしている場合は、証券会社が自動で処理してくれる
  • 複数の証券会社で取引をしている場合は自分で行う必要がある
  • 損益通算できる商品の組み合わせは決まっている
損益通算可能な組み合わせ①
譲渡所得・配当所得・利子所得:上場株式の売却損益や配当金(申告分離課税を選択した場合)、公募株式投資信託の売却損益や分配金など
損益通算可能な組み合わせ②
雑所得:FX、商品先物取引、オプション取引、上場カバードワラントなど

※①と②をまたいで損益通算することはできません。
※上場株式の配当金は、申告分離課税か総合課税、源泉徴収のいずれかを選べます(詳細は後ほど記載)

具体的に、A証券とB証券の2社で、いずれも特定口座(源泉徴収あり)で取引している場合を考えてみます。

  • A証券:上場株式を売却して100万円の譲渡益が出た
  • B証券:上場株式を売却して30万円の譲渡損が出た

特定口座(源泉徴収あり)を利用しているので、何もしなければA証券では約20万円の税金が引かれます。
これが確定申告をして損益通算すると、利益100万円から損失30万円を引いて利益70万円に。
この結果、納税額は約14万2千円となり、6万円近い節税ができるというわけです。

あやあや

投資で損をするのは避けたいところだけど、ただ損するだけじゃないのね

マスターマスター

トータルで利益が出ていても、損が出た取引がある場合は損益通算すれば節税になる。損益通算をしてもまだ損失が残っている場合は、翌年以降に繰り越すこともできるんだよ

損失を最長3年繰り越せる「損失の繰越控除」

マスターマスター

投資で大きく損をしてしまった場合は、その損失を最長3年間繰り越せる。これを『損益の繰越控除』というんだ

【損失の繰越控除について】

  • 損益通算をしてもなお損失が残った場合、翌年以降、最長3年損失を繰り越せる
  • 繰越控除を行うことで、翌年以降の納税額を安く抑えることができる

A証券とB証券の2社で、いずれも特定口座(源泉徴収あり)で取引している場合を考えてみます。

  • A証券:上場株式を売却して100万円の譲渡損が出た
  • B証券:上場株式を売却して30万円の譲渡益が出た

損益通算すると、利益30万円から損失100万円を引いて損失70万円に。
この年は利益0円となるため税金は発生しません。
損失も70万円残っているので、この額を翌年以降に繰り越します。

繰越1年目
繰り越した損失:70万円
A証券:上場株式を売却して20万円の売却益が出た
B証券:上場株式を売却して20万円の売却益が出た
この年は20万+20万で40万円の利益が出ていますが、繰り越した損失70万円と相殺されて利益は0円に!
さらに、残った損失30万円(70万-40万=30万)は再び翌年に繰り越します。
繰越2年目
繰り越した損失:30万円
A証券:上場株式を売却して10万円の売却損が出た
B証券:上場株式を売却して30万円の売却益が出た
この年は-10万+30万で損益通算の結果20万円の利益が出ましたが、繰り越した損失30万円と相殺されて利益は0円に!
さらに、残った損失10万円(30万-20万=10万)は再び翌年に繰り越します。
繰越3年目
繰り越した損失:10万円
A証券:上場株式を売却して10万円の売却益が出た
B証券:上場株式を売却して10万円の売却益が出た
この年は10万円+10万円で20万円の利益ですが、繰り越した損失10万円と相殺されて利益は10万円に。

このように、投資で出た損失を繰り越すことで、最長3年間は節税が可能になっているのです。

あやあや

大きく損してしまった場合でも、3年間は利益を相殺できるのね。これは利用しないともったいない!

マスターマスター

そうでしょ?でも損失を繰り越す間は毎年確定申告しないといけないんだ。それに、3年を超えて繰り越すこともできないから注意してね

【損失の繰越控除に関する注意点】

繰り越す間は毎年確定申告が必要(取引がなくても確定申告は必要)
場合によっては、損失を繰り越している間(繰越1年目や2年目)に取引が発生せず、利益も損失も出なかった年もあると思います。
このときに確定申告せずにいると、損失を翌年以降に繰り越せなくなるので注意が必要です。
3年を超えて損失を繰り越すことはできない
3年以内に相殺できなかった損失は、翌年(4年目)以降に繰り越せません。
あやあや

あくまでも3年以内で、この間はとにかく確定申告が必要ってことね

マスターマスター

そう。面倒だからと確定申告しないままだと、本来払う必要のない税金まで払うことになる。そんなもったいないことはしないように!

あやあや

会社勤めだと確定申告ってあまり縁がないから、つい面倒に思っちゃうのよね…でも、損失のダメージを小さくするためにも必要なことがよく分かったわ

上場株式の配当金に関して

マスターマスター

そうそう、上場株式の配当金(配当所得)については、知っておくとお得なケースもあるんだ

【配当金と税金について】

  • 配当金に対する課税方法には「申告分離課税」「総合課税」「源泉徴収」の3通りがある
  • 「申告分離課税」と「総合課税」は確定申告が必要、「源泉徴収」はあらかじめ税金が引かれた状態で振り込まれるので確定申告不要
  • 「申告分離課税」と「源泉徴収」は税率が一律20.315%(所得税等が15.315%、住民税が5%)と決まっている
  • 「総合課税」は所得(配当所得や給与所得など各種所得を合計したもの)が高くなるほど所得税の税率が高くなる(超過累進税率)。住民税は一律10%
  • 損益通算や損失の繰越控除ができるのは「申告分離課税」の場合のみ
  • 「総合課税」では配当控除が受けられる。控除率は課税所得の金額で異なり、所得税が5%または10%、住民税が1.4%または2.8%
マスターマスター

配当所得に対する課税方法は、実は自分で選ぶことができる。運用成果や自分の所得に応じて選べば、納税額を抑えることができるんだよ

【税金を減らす方法まとめ】

パターン1:配当金以外で損失が出てしまった場合
→「申告分離課税」にして損益通算や損失の繰越控除を活用する
パターン2:損失が出なかった場合
→所得が少なければ「総合課税」にすると税率が低いのでお得
例1)課税所得が330万円以下の場合
所得税:税率10%、配当控除10%→差引負担は0%
住民税:税率10%、配当控除2.8%→差引負担は7.2%
所得税と住民税を合わせると税率が7.2%となり、「申告分離課税」や「源泉徴収」に比べて13.1%も低くなります。

例2)課税所得が330万円を超え695万円以下の場合
所得税:税率20%、配当控除10%→差引負担は10%
住民税:税率10%、配当控除2.8%→差引負担は7.2%
所得税と住民税を合わせると税率が17.2%となり、「申告分離税」「源泉徴収」に比べて3.1%低くなります。

あやあや

配当金が多い人は総合課税にすると有利になるのね!

マスターマスター

そう。総合課税で注意したいのは、課税所得が給与所得や配当所得を合算した額である点かな。総合課税は所得が多くなれば税率もアップする。合算してみたら税率がアップしてしまった! なんてことになったら、意味がないからね

あやあや

ということは、しっかり試算してみてどちらにするか決める必要があるってことね…

マスターマスター

そう。投資って運用成果だけに目が行きがちだけど、いくら利益が上がっても出ていくお金が多いと意味がないでしょう。税金は苦手意識があるかもしれないけれど、コストが下がれば出ていくお金も減るわけで…

あやあや

結局、面倒とか言わずに、しっかりやることが大事ってことか

まとめ

  • 投資で得られた利益と損失は、確定申告することで相殺し(損益通算)納税額を安くすることができる
  • 損益通算できる商品の組み合わせは決まっている
  • 損益通算しても控除できなかった損失は、翌年以降最長3年まで繰り越せる(損失の繰越控除)
  • 損失の繰越控除をするためには、繰り越す間、毎年確定申告が必要(しなかった場合は繰り越せない)
  • 上場株式等の配当金については、課税方法を自分で選べる(申告分離課税、総合課税、源泉徴収)
  • 課税所得が695万円以下の人は「総合課税」にすることで節税も可能(ただし、合算することで税率がワンランク上がるようなことがあると逆効果になってしまう点には注意)