定期預金より金利が高くて安全! 個人向け国債とは

ねぇ、マスター。投資の中でも元本保証で、比較的安心な商品があるんだよね?

個人向け国債のことかな

そうそう! 投資ってまだよく分からないし不安だから、やっぱり安心できるものから始めたいなと…。個人向け国債のこと、教えてもらえる?

投資を始める気になってきたみたいだね! 早速、個人向け国債について勉強していこう
個人向け国債の特徴

個人向け国債の詳しいことは後で聞くとして、まずはどんな特徴があるのか知りたいな

個人向け国債の主な特徴を簡単にまとめてみたよ
【個人向け国債の主な特徴】
- 国が発行する債券である
- 国が元本を保証している
- 少額(1万円)から購入できる
- 毎月発行されている
- 3種類の商品がある
- 金利の下限は0.05%と決められている(0.05%を下回ることはない)
国債を購入すること=国にお金を貸すこと

国債って簡単にいうと、国の借金のこと。国債を発行することで、国は国債を買ってくれる人からお金を借りているってわけ

借りているってことは、そのお金はきちんと返されるんだよね?

もちろん。国債は国が元本を保証しているだけあって、投資先としてはとても安全だと言われているよ

でも、国がお金を返せなくなることもあるんじゃないの?前にテレビでも『国の借金は1,000兆円を超えている!』なんて言ってたけど…

国がお金を返せなくなる可能性ってゼロではない。これはどの国にも当てはまる。でも日本に関して言うと、ほとんどゼロに近いと考えてもらって大丈夫

…うーん、イマイチ信じられないなぁ

国債って円建て(円で決済される)の商品で、保有者の9割以上が日本国民なんだ。だから万が一、国がお金を返せないような状況になったとしても、お金を刷ることで対応できるわけ

え?そんなのアリ?お金をたくさん刷ると価値が下がっちゃうじゃん

確かにインフレは起きるだろうね。でも国がお金を発行できる以上、『貸した分が戻ってこない』ことにはならない

でもさ、仮に100万円貸していて手元に戻ってきても、価値としては50万円分くらいにしかならないってこともあり得るんでしょう?それって結局、お金が減るのと変わらない気がするけど…

そうなったら貯金だって同じだよ。それに、国が借金を返せなくなるような大変なことが起きてしまったら、国よりも先に銀行が危なくなる

…それもそうか

今のところ、銀行が潰れてしまったら1,0000万円までは保証されるようになっているけれど、国の財政がピンチになったら、それすらも怪しくなる。個人向け国債ならこんな上限もない

とにかく、国に貸した分は国がしっかり保証してくれているってわけか…

そう。だから国債は銀行にお金を預けるよりも安心なんだよ
3種類ある個人向け国債の商品

ところで、個人向け国債には3種類の商品があるみたいだけど、具体的にはどんなものがあるの?

満期日までの年数に応じて3種類の商品があるんだ。具体的には、3年・5年・10年の3種類。3年・5年は固定金利、10年は変動金利だよ
【個人向け国債の商品3種類】
- 固定3年および5年
- 発行時に設定された利率が満期まで変わらない
- 変動10年
- 半年ごとに適用利率が変わる

国債の金利ってどうやって決まるの?

固定3年・5年は市場の実勢利回りが基準になって、そこから一定率引いたもの。変動10年は長期金利の0.66倍。長期金利は銀行が金利を決めるときに目安にしているものだよ

ということは、基準金利が低いと、国債の金利も0%とかマイナスになるかもしれないってこと?『マイナス金利』なんて言葉も聞くんだけど…

その心配はない。個人向け国債には0.05%(税引前)の最低金利保証があって、この利率を下回ることはないんだ。ちなみに、2017年8月募集分は、どの商品も0.05%になっている

銀行は0.01%とかまで金利が下がるけど、個人向け国債なら最低金利保証を下回ることはないってことか

そう。変動10年にすれば将来、金利が上がった時も連動して高くなる

しばらく使う予定がないお金を安全に持っておきたいなら、個人向け国債の変動10年がいいってことなのね

そうだね。あと、個人向け国債は毎月発行されているし、少ないお金でも始められる。投資未経験者でも始めやすい商品なんだよ

確かに、1万円からOKなら、とりあえずやってみるのもいいかもしれないね
個人向け国債の注意点

個人向け国債の特徴とかメリットは分かったけど、注意点はないの?

もちろんあるよ
【個人向け国債の注意点】
- 1年間の拘束期間がある
- 中途換金(途中解約)する場合はペナルティあり
- 受け取る利子には税金がかかる

国債は購入すると、最初の1年間は解約できない。つまり、1年間は購入した分のお金が拘束されてしまうんだ

1年間は手を付けられないというわけね。1年を過ぎると換金は可能なの?

1年経過すれば換金もできるようになる。でも、そのためには過去1年分の金利相当額を支払う必要がある

過去1年分ということは、解約するタイミングから遡って過去2回分の金利ってこと?

そう。でも支払うのはあくまでも金利分だから、元本への影響はない。『もらえるはずだった分がもらえなくなるだけ』とも言えるね

受け取れる利子には税金もかかるんだね

20.315%の税金がかかるようになっている。でもこれは銀行預金に関しても同じ。国債だけってわけではないんだよ
個人向け国債の購入方法

個人向け国債のこと、だいぶ分かってきた!
…あれ、でも国債ってどこで申込めばいいの?銀行窓口とか?

銀行でも買えるけど、一番いいのはやっぱりネット証券かな。24時間いつでも都合のいい時に利用できるしね

個人向け国債は毎月発行されるんだよね?ということは、いつでも申し込めるってこと?

いや、毎月一定の募集期間が設定されるから、その期間中でないと申込めない。募集期間はひと月あたり25日間くらいかな

何か入力したりする必要はあるの?

ネット証券なら商品を選んだ後に、金額と取引用のパスワードを入力するくらいでOK。難しくないでしょ?

ネット通販みたいな感じで、意外に手軽なのね

そうだね。とはいえ、申込む前には説明書きなどをきちんと読むのも忘れずに
個人向け国債のまとめ
- 国債は国が元本を保証している(購入した分については上限なく保証される)
- 償還されない(お金が返ってこない)可能性はゼロではないが、かなり低いので安心
- 固定3年、固定5年、変動10年の3種類があり、変動10年がオススメ
- 0.05%の最低金利保証がある
- 1万円から購入可能
- 毎月発行されている(募集期間はひと月あたり25日前後)
- 購入後1年間は換金できない
- 1年を過ぎると中途換金可能(ただし、過去2回分の金利がペナルティとして引かれる)
- 受け取る利子には20.315%の税金が課税される