
投資にかかる税金って意外に侮れないのよね…

利益の約2割が税金として引かれるからね

でも、NISAだったら税金が優遇されるって話だよね?

NISAが気になっているみたいだね。NISAは利用しないともったいない制度! 早速、詳しい中身をチェックしていこう
NISAってどんな制度?

上場株式や投資信託の配当金や売買利益には、20.315%の税金がかかることはもう知っているよね

意外に税率が高くてビックリよ…

NISAは2014年1月に導入された制度で、こうした利益にかかる税金が非課税になるものなんだ

ということは、得られた利益がそのまま自分のものになるってことね

そう。これだけ聞いても『使わないともったいない』ことが分かると思うけれど、利用できる期間なんかは限られているんだ
【NISAの制度概要】
- NISAとは?
- 上場株式や投資信託などの利益にかかる税金(通常20.315%)が非課税になる制度
- 利用できる人
- 原則として日本国内に住む満20歳以上の人なら誰でもOK
- 口座開設できる期間
- 2023年12月末まで
- 年間限度額
- 年間120万円の投資金額まで
- 非課税となる期間
- 投資を始めた年(株式や投資信託を購入した年)から最長5年間
NISAのメリットや注意点
NISAのメリット

NISAの一番のメリットは税金が優遇されるという点。それ以外にもいくつかあるんだよ
【NISAのメリット】
- 通常20.315%かかる税金が非課税になる
- 特に大きな値上がりを期待したい場合にメリット大! 配当金や分配金も非課税で受け取れます。
- 年間投資額120万円までが非課税になる
- たとえばNISA口座で株式を100万円購入した場合、残りNISA枠は20万円。
ここで購入した株式が値上がりして120万円になったとしても、残りNISA枠20万円はそのまま。
「NISA口座に保有する額が年間120万円」ではなく、あくまでも「投資金額が年間120万円」までとなります。 - 確定申告不要
- そもそも非課税なので、確定申告も不要です。
NISAの注意点

NISAはとにかく、税金の面でのメリットが多いってことね

そうだね。でもNISAを始めるなら注意点もしっかりチェックしておいてほしい
【NISAの注意点】
- NISA口座は1人1口座まで
- 1人で複数口座を持つことはできません。
また、複数の金融機関に向けて同時にNISA口座の開設申し込みをすると、手続きに大幅な時間がかかってしまいます。
口座開設をする際は1つの金融機関に絞って申込みをしてください。
なお、NISA口座開設後であれば毎年金融機関を変更することは可能。
ただし、初回取引実行後、最大1年間(その年の12月31日まで)は金融機関の変更ができません。 - 金融機関によって取り扱う商品が違う
- NISA口座で購入できる商品は証券会社によって異なります。
銀行でもNISA口座は開設できますが、投資信託のみというところも。
幅広い商品ラインナップという点では、ネット証券がオススメです。 - 新規投資額が対象
- 課税対象となる特定口座や一般口座で既に保有している商品を、NISA口座に移すことはできません。
- 売却しても同年内の非課税枠は復活しない
- 年間投資金額120万円までが非課税となるNISAですが、売却したからといって枠が復活するわけではありません。
例1)既に120万円の枠いっぱいの商品を購入していて、60万円分を売却→すでに上限120万円に達しているため、追加購入不可
例2)80万円分の商品を購入していて(残り枠40万円)30万円分を売却→残り枠は40万円のまま(40万+売却分30万=70万とはならない) - 使用しなかった非課税投資枠繰り越せない
- 年間120万円のうち100万円しか使わなかったとしても、残り20万円分を翌年に繰り越すことはできません。
- 商品によってはメリットがない
- 投資信託における特別分配金(元本払戻金)など、もともと非課税のものはNISAを利用するメリットがありません。
商品を選ぶ際には注意しましょう。 - 他の口座と損益通算できない
- 通常、投資で損をしてしまった場合は、利益と損失を合わせる「損益通算」することで節税できます。
しかしNISA口座は他の口座と損益通算ができないので、注意してください。

今までメリットばかりに気を取られていたけれど、実は注意点もたくさんあるのね
5年経ったらどうなる?

ところで、NISAって投資を始めてから最長5年間、非課税になるんでしょ?5年経ったらどうなるの?

売却しないまま5年経つと、6年目には課税口座へ払い出すか、新たな非課税投資枠に移すか、換金するかのいずれかになるんだ
【NISAを始めた年から5年経つと?】
- パターン1:課税口座へ払い出す
- NISA口座で保有している商品を、時価で特定口座または一般口座へ払い出します。
払い出した後は通常の20.315%の税金が課税されます。 - パターン2:新たな非課税投資枠に移す(ロールオーバー)
- 120万円を上限に、新たな非課税投資枠にそのまま移します。これを「ロールオーバー[/char]と言います。
例)2017年にNISA口座で120万円分投資→2021年(6年目)に新たに発生する投資枠に120万円分移す。 - パターン3:換金する
- 時価で換金します。
なお、5年経った時点で何も選択しなかった場合は、自動的に「パターン1:課税口座へ払い出す」となります。
金融機関や商品を選ぶときのポイント

NISAのこと少しずつ分かってきたけれど、いざ始めようと思ったらまずは金融機関や商品を選ばなきゃいけないよね?

口座を開設しないことには何も始まらないからね

どんな点に注意して選べばいいの?

金融機関や商品を選ぶときは、次のような点に注目して選ぶことをオススメするよ
【金融機関・商品を選ぶポイント】
① 金融機関について
- 取り扱っている商品ラインナップが幅広い
- 銀行などよりもネット証券の方が、より多くの商品を取り扱っています。
- 手数料が安い
- 同じ投資信託でも、金融機関によって手数料が異なる場合があります。
投資信託の買付手数料なども要チェック。
この点も、銀行などに比べるとネット証券の方が手数料は安いケースが多くなっています。 - アクセスしやすい
- 地銀や地場証券に口座を開設すると、支店のない地域に引っ越した時に苦労します。
居住地に左右されず取引できるという点でも、ネット証券がオススメです。
② 商品について
- 手数料が低いもの
- NISAで保有できる商品には、株式(国内・外国)や投資信託などがあります。
どの商品を選ぶにしても、チェックしておきたいのは手数料。
「確実に減るものはなるべく抑える」ことが投資の基本なので、手数料などのコストはしっかりチェックしましょう。
【主なネット証券のNISA】
※表はスクロールします→
SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | カブドットコム証券 | 松井証券 | GMOクリック証券 | ライブスター証券 | 岩井コスモ証券 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
特徴 | NISAでもやはり業界最強の一角。 | 海外ETFなら実質手数料無料に。 | 豊富な海外投資商品もNISA運用可能。 | プチ株の積立もNISAに対応。手数料無料は買付時のみ。 | 投資信託は全てノーロード! | 投資信託は全てノーロード! | 買付は指値注文のみ。通常取引と同じ手数料が発生。 | ネット取引の場合、NISAで海外株式を運用できない。手数料も発生。 |
国内 | ||||||||
株式現物 | ◯ (手数料無料) | 〇 (手数料無料) | 〇 (手数料無料) | 〇 (買付時手数料無料) | 〇 (手数料無料) | 〇 (手数料無料) | 〇 | 〇 |
IPO銘柄 | ◯ | × | 〇 | 〇 | × | × | × | × |
ETF(ETN) | ◯ (手数料無料) | 〇 (手数料無料) | 〇 (手数料無料) | 〇 (買付時手数料無料) | 〇 (手数料無料) | 〇 (手数料無料) | 〇 | 〇 |
REIT | ◯ (手数料無料) | 〇 (手数料無料) | 〇 (手数料無料) | 〇 (買付時手数料無料) | 〇 (手数料無料) | 〇 (手数料無料) | 〇 | 〇 |
投資信託 | 2,420本以上 (1,120本以上) | 2,463本 (1,170本) | 1,062本 (623本) | 1,019本 (593本) | 191本 (191本) | 62本 (62本) | 1本 (1本) | 〇 |
海外 | ||||||||
株式現物 | 米国、香港、韓国等9カ国 | 米国、中国、アセアン | 米国、中国 (手数料キャッシュバック) | × | × | × | × | × |
ETF | 米国、中国、韓国 (手数料無料) | 米国、中国、シンガポール (手数料キャッシュバック) | 米国、中国 (手数料キャッシュバック) | × | × | × | × | × |
詳細 | SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | カブドットコム証券 | 松井証券 | GMOクリック証券 | ライブスター証券 | 岩井コスモ証券 |

とにかく、手数料などのコストを抑えることだけは忘れずにってことね

そうだね。NISAなら『税金』というコストは抑えられるけど、手数料は自分の商品の選び方によって変わるもの。投資初心者は特に気を付けておくべき点といえるね
2018年からは「つみたてNISA」も

NISAに関しては、2018年1月から『つみたてNISA』も始まるんだ。『つみたて』の文字通り、積立投資信託専用のNISA口座だよ

投信積立専用のNISA口座ができるんだ! コツコツ資産運用したい人にはピッタリね

ただ、NISA口座と併用できないといった注意点などもある。詳しいことはこれから公表されていくから、チェックしておくといいよ
積立NISAについてはこちらもあわせてお読み下さい
⇒初心者もこれで分かる「つみたてNISA(積立NISA)」とは
NISAのまとめ
- 20歳以上で日本に住んでいる人なら誰でも口座開設できるが、1人1口座まで
- 口座開設できるのは2023年12月末まで
- 年間120万円までの投資金額が非課税になる
- 非課税期間は投資を始めた年から最長5年間
- 5年経過後は「課税口座へ払い出す」「新たな非課税投資枠に移す(ロールオーバー)」「換金する」のいずれかを選べる
- 新規投資額が対象で、既に保有している株式等をNISA口座に移すことはできない
- 売却しても同年内の非課税枠は復活しない
- 使用しなかった非課税投資枠は翌年に繰り越せない
- 証券会社によって取り扱う商品が異なる
- 2018年からは積立投信専用の「つみたてNISA」もスタート、2017年10月から受付開始(制度詳細は順次発表予定)