
いよいよ10月から『つみたてNISA』の受付が始まるよ!

つみたてNISA?普通のNISAとはどう違うの?

今あるNISAと似ているけれど、違う点もある。どんな制度なのか、早速チェックしてみよう
つみたてNISAとは?

そもそもNISAとは『少額投資非課税制度』のこと。つみたてNISAも同じようなものだけど、こちらは2018年1月からスタートする新しい制度だよ
【つみたてNISAの概要】
- 口座の受付は2017年10月から、運用開始は2018年1月
- つみたてNISAで運用できるのは、積立によるもの(投信積立など)に限定される
- NISAとつみたてNISAは併用できない
NISAについてはこちらもあわせてお読み下さい
⇒初心者もこれだけで十分、NISAのメリットと注意点

NISAとつみたてNISAは併用できないから、すでにNISAの口座を持っている人は、2018年からどちらか選ぶ必要がある

併用できないってことは、既にNISA口座でいくつか商品を保有している人がつみたてNISAを選んだ場合、NISA口座で保有している商品は売却したりしないといけないってこと?

その必要はないよ。あくまでも『2018年からどちらを使うか』ってことだから、既に保有している商品については気にしなくて大丈夫!
【2017年までにNISAで保有していた商品はどうなる?】
NISA口座で購入した商品(上場株式や投資信託など)は、購入した年から5年間、配当金や売却益が非課税になります。
例)2017年に新たにNISA口座で120万円分の商品を購入した場合→2021年12月末までが非課税期間
仮に2018年からつみたてNISAを選択した場合でも、2017年に購入した商品は2021年12月末まで非課税として扱うことが可能です。
現行NISAとの違いと具体的な内容

NISAとつみたてNISAが併用できない以上、一番気になるのはどんな違いがあるのかよね

そうだね。NISAと比較しながらチェックしてみよう
【現行NISAとつみたてNISAの違い】
つみたてNISA (積立NISA) | NISA | |
---|---|---|
年間の非課税投資枠 | 40万円 | 120万円 |
非課税期間 | 20年間 | 5年間 |
対象商品 | 一定条件を満たす投資信託等 積立によるものに限定 | 上場株式、ETF、投資信託等 積立である必要ナシ |
ロールオーバー | 不可 | 可能 |
払出制限 | なし | なし |
- 非課税投資枠について
- 現行NISAでは年間120万円まで非課税で投資できますが、つみたてNISAでは40万円となります。
少なく感じるかもしれませんが、月々約33,000円まで積み立てられる計算です。 - 非課税期間
- 現行NISAの5年に対し、つみたてNISAは最長20年間非課税に。
最大限活用すれば、最大で800万円(40万円×20年間)まで非課税枠で投資できます。
ちなみに、現行NISAが最大600万円(120万円×5年間)。
つみたてNISAは年間の非課税投資枠こそ少ないものの非課税期間が長いため、最終的に現行NISAよりも非課税投資枠が大きくなるのです。 - 対象商品について
-
つみたてNISAは長期の積立・分散投資を行うことで、私たち国民が安定的に資産形成をする後押しをするための制度。
そのため、対象商品は長期の積立・分散投資に向いている商品で、なおかつ国が定めた次のような基準を満たした商品に限定されます。
- 信託契約期間が無期限または20年以上であること
- 分配頻度が毎月でないこと
- ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと
※デリバティブ取引…金融派生商品(デリバティブ)を対象とした取引。先物取引、オプション取引、スワップ取引などがある。
このほか、インデックス型とアクティブ型、ETFのそれぞれで手数料や純資産等の要件も決められており、全てを満たしたものだけが対象商品となっています。例1)信託報酬に関する要件- インデックスファンドの場合
- 国内資産を対象とするものは0.5%以下、海外資産を対象とするものは0.75%以下(ともに税抜)
- アクティブファンドの場合
- 国内資産を対象とするものは1%以下、海外資産を対象とするものは1.5%以下(ともに税抜)
- ETFの場合
- 国内取引所・外国取引所ともに0.25%以下(税抜)
例2)販売手数料に関する要件- インデックスファンド、アクティブファンド共通
- ノーロード(解約手数料・口座管理手数料についてもゼロであること)
- ETF
- 1.25%以下(口座管理手数料についてもゼロであること)
金融庁によると、2017年7月末時点で要件を満たす商品は、公募投信114本、ETF6本の合計120本(平成29年8月30日付の金融庁発表による)
金融庁では今後、対象商品を広げることについても検討するとしていて、最終的には10月2日に金融庁のウェブサイトで正式発表される予定です。
- ロールオーバーについて
- ロールオーバーとは、保有している商品を新たな非課税投資枠に移行すること。
現行NISAでは5年経過後に保有している商品を新たな非課税投資枠に移すことができましたが、つみたてNISAでは認められていません。
また、現在NISAで保有している商品をつみたてNISAに移行することや、つみたてNISAからNISAに移行することもNGです。
【主なネット証券の積立NISA】
※表はスクロールします→
SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | |
---|---|---|---|
国内株式 | 〇 | 〇 | 〇 |
海外株式 | 〇 | 〇 | 〇 |
国内債券 | |||
海外債権 | |||
国内REIT | |||
海外REIT | |||
コモディティ | |||
バランス型 | 〇 | 〇 | 〇 |
ターゲットイヤー型 | 〇 | 〇 | |
元本確保 | |||
※2017年10月11日現在、108本を取扱う予定 | ※2017年10月13日現在、94本を取扱う予定 | ※2017年10月11日現在、47本を取扱う予定 |

NISAとつみたてNISAはどちらも少額投資が非課税になる制度だけど、目的が少し違うのね

NISAは少額でも投資することを後押しするための制度、つみたてNISAは長期の資産形成を後押しする制度って感じだからね

目的が目的だから、商品も限定されるってこと?

そういうこと。つみたてNISAでは、長期投資に不向きのものや値動きの大きい複雑な商品は除外されるんだ

投資で大きく儲けるためというよりは、あくまでも資産形成のためのものって感じなのね
つみたてNISAのメリットと注意点
つみたてNISAのメリット
- 得られた利益(売却益や分配金など)が非課税となる
- コツコツと資産形成ができる
- 通常のNISAよりも非課税投資額が大きい
つみたてNISAの注意点
- アクティブな投資はできない
- 商品が限定的

積極的に投資をしたい人には、つみたてNISAは不向き。この場合はNISAを活用しよう
つみたてNISAとiDeCoの比較

そういえば、つみたてNISAと似た制度にiDeCoがあるよね?iDeCoも毎月一定額を積み立てて運用していくものだけど、どっちを活用した方がいいのかしら?

どちらも、毎月積み立て・税制のメリットがあるのは同じだけど、自由に払い出せるつみたてNISAに対して、iDeCoには払出制限がある
【つみたてNISAとiDeCoの比較】
- 税制上のメリットについて
- つみたてNISA
- 得られた利益が非課税
- iDeCo
- 得られた利益が非課税、さらに毎月の掛金は全額所得控除(受け取る時にまとめて課税)
- 払出制限について
- つみたてNISA
- 制限なし(お金が必要になった時などいつでも払出が可能)
- iDeCo
- 制限あり。60歳にならないと払出ができない
iDeCoについてはこちらもあわせてお読み下さい
⇒初心者こそ始めないと損、個人型確定拠出年金(iDeCo)とは
【主なネット証券のiDeCo】
※表はスクロールします→
SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | |
---|---|---|---|
国内株式 | 15本 | 6本 | 6本 |
海外株式 | 14本 | 4本 | 5本 |
国内債券 | 2本 | 2本 | 1本 |
海外債権 | 7本 | 4本 | 3本 |
国内REIT | 3本 | 2本 | 2本 |
海外REIT | 3本 | 1本 | 1本 |
コモディティ | 2本 | 1本 | 1本 |
バランス型 | 17本 | 4本 | 2本 |
ターゲットイヤー型 | × | 3本 | × |
元本確保 | 4本 | 1本 | 1本 |
詳細情報 | SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 |
【マスターのコメント】
iDeCoでは、SBI証券と楽天証券がオススメ。
払出制限の面から考えると、比較的早い段階で必要になりそうなお金(結婚やマイホーム購入、子育てなど)はつみたてNISAで、老後資金はiDeCoを利用するといいでしょう。
とはいえアラサーOLはこの先、出産や子育てで一時的に収入がなくなることもあるかもしれませんが、まだ十分稼ぐことができます。
しかし、老後は確実に収入も減るので、老後資金をしっかり準備しておくことを優先したいもの。
しっかり働いてお金を稼ぎながらiDeCoをフル活用して老後資金を準備しつつ、余剰分をつみたてNISAも活用するというのが現時点でベストな選択肢といえます。

iDeCoには所得控除もあるから、私みたいなOLならiDeCoを優先させた方がよさそうね

そうだね。そのうえで『もう少しコツコツ頑張ってみたい』と思うなら、つみたてNISAを活用するといい

でも、つみたてNISAの制度のことを知れてよかった! 知っていると選択肢が増えるから、その時々で見直すときに役立ちそう

実際に制度がスタートすれば変わる部分も出てくるはず。関心を持って、情報をチェックするようにしよう
まとめ
- つみたてNISAは、2018年1月から始まる新しい少額投資非課税制度(受付は2017年10月から)
- 長期積立投資で安定的に資産形成することを目的とした制度
- 運用できる商品は積立てによるものに限定される(投資信託やETFなど)
- 取扱商品も国の基準を満たしたものに限定されている
- NISAとつみたてNISAは併用できない(すでにNISA口座を持っている人は、どちらか選ぶ)
- 年間の非課税投資枠は40万円(1ヶ月あたり33,000円程度積立てられる)
- 非課税期間は最長20年
- 最大非課税枠は800万円となり、通常のNISAよりも大きい
- 保有商品の移行(ロールオーバー)は認められていない
- 払出に関する制限はナシ
- ゆっくりコツコツ資産形成したい人はつみたてNISA、アクティブに投資したい人はNISAが向いている
- 現役世代ならiDeCoを優先的に活用した方がお得(運用中の利益は非課税・掛金は全額所得控除になるため)
- 比較的早い段階で使う可能性のあるお金なら、つみたてNISAも有効